マンガが好きな方、出版社で働くこと・編集者という職業に憧れたことがある方に、オススメのマンガです。
2016年には黒木華さん主演でドラマ化もされたので、ドラマからマンガファンになった方も多いと聞きます。
2013年初刊から大ファンになり、毎巻仕事や人間関係へのモチベーションをいただいている作品、ご紹介しますね。
目次
マンガ「重版出来」(じゅうはんしゅったい)とは?
小学館「月刊!スピリッツ」で2012年から連載されているビジネスマンガ。
大手出版会社『興都館』に入社した元柔道女子 黒沢心ちゃんが、配属先の週刊コミック誌「バイブス」編集部で成長してゆく姿を描く作品。
さまざまな世界のプロフェッショナルとその人々の矜持は「マンガ」の枠を大きく超え、読者に希望と勇気を与えてくれる。
<受賞>
2014年 日本経済新聞「仕事マンガ」 第1位
2017年 第62回「小学館漫画賞」(一般向け部門)
1巻
2013/3/29発行。
オリンピック出場寸前までいった柔道女子 黒沢心ちゃんが、出版社への就活に挑んでみごと合格、新社会人としてスタートを切る。
マンガ家も出版社の編集者・営業マンも、ベテラン・新人それぞれの人間ドラマが勢いよく、ときに涙をさそって描かれている。登場人物それぞれのキャラづくりも秀逸。
作品内に登場するマンガの設定も面白く、「ドラゴン急流もタンポポ鉄道も、実際に読んでみたい!」と強く感じる。
「頑張って頑張って、声かけてくれた人に喜んでもらおうって思います!」
常にパワフルで前向きな心ちゃんと周囲の人々から、元気と勇気をもらえるマンガ。
「『売れた』んじゃない。俺たちが、売ったんだよ!」
岡営業課長の矜持に感動しつつ、2巻へ!
2巻
2013/9/30発行。
作家の引き抜き合戦やSNS活用、それぞれの恋愛事情など、「さもありなん」なテーマでここまで読ませる作品はすごい。
「タイムマシンにお願い!」では、過去の栄光を忘れらず引きこもる中年作家と娘の対立と和解、紙媒体と電子書籍の対立と共存について、深く掘り下げられている。
「未来へ。ずっとずっと未来へ」
後田先生の言葉に未来を期待しつつ、3巻へ!
3巻
2014/3/28発行。
新人作家を発掘・育成する編集部の様子がコミカルかつ緻密に描かれている。
1冊のマンガが世に出るまでの部数決定会議、デザイナー選定、予算決めなども、非常にリアル。特に映像化が決定しているコミカライズ作品についての、マンガ作家・原作者・芸能界・出版社の立ち位置について、ゾクゾクしながらページをめくった。
大塚翔クン、東江絹ちゃん、中田伯クン、3人の新人作家の今後が気になる4巻へ!
4巻
2014/9/30発行。
安井さんと東江絹ちゃんの人間関係、沼田さんの涙、中田伯クンの生い立ちと苦悩。「才能」への嫉妬と渇望。
雑誌の休刊(事実上廃刊)を経て、大きく隔たってしまった安井さんと編集部の面々。クールな安井さんにこんな過去があったとは・・・。
「漫画の中だけで生きていきたかったんだ」
社会人なら誰もが経験したことがあるであろう、「夢」との決別。中田伯クンの涙が沼田さんの旅立ちの糧となったことを願いつつ、5巻へ!
5巻
2015/4/10発行。
巨匠作家の画集を制作するために、「紙」選定、デザイナー、プリンティングディレクター、多くの「美の巨匠」が集結。
ちょっと、いや、かなりハチャメチャな巨匠たちに振りまわされながら、プロの世界を学んでいく心ちゃん。
「スティーブ・ジョブズはいないけど、真面目で勤勉な何千何万の二宮金次郎たちが、この国を作ってきたんだ」
真面目で勤勉な登場人物たちに感動しつつ、6巻へ!
6巻
2015/10/9発行。
ついに、ついに、中田伯クンの連載決定!泣き崩れる伯クンの姿に感情移入し、こちらも涙・涙。
作家を使い捨てにするWebコミック誌、地方都市の小さな小さな書店、現代の問題点がテーマの回では考えさせられる事柄が多い。
終盤、日本語を守ろうと日々奮闘する校閲の方々の仕事ぶりに、日本人として大切なことを呼び覚まされる。
「日本語。なんて優しい美しいきみ。僕は君を守りたい。これからもこの国を繋いでゆくために」
日本語を大切にしていきたいと背筋を伸ばし、7巻へ!
7巻
2016/3/30発行。
「天才と狂人は紙一重」を地でゆく、驚異の新人作家 中田伯クン。連載が始まってアシスタントが必要となるも誰も続かないが、それが栗山さんとの友情を深めるきっかけにもなる。
少女漫画担当編集者の繊細な心配りが、心ちゃんが所属する男性漫画誌「バイブス」と見事な対比を見せていて、各々のプロっぷりに感服。
「ここ最近は特にだな、一巻からしっかり売って読者の心をがっちり掴まないと連載は厳しいんだ」
「昔はな~、週刊連載は三巻から面白くなるってのが当たり前のエンジンのかけかただったんだが」
時代が移り変わるスピードに頷きつつ、心ちゃんが強烈なヒキを生み出せることを願って、8巻へ!
8巻
2016/8/30発行。
アユちゃんとの出会いによって生まれる中田伯クン「ビーヴ」の女性キャラ。次々と明らかになる伯クンの壮絶な過去に驚愕し、母親との再会が彼にどのような変化をもたらすのか目が離せない。
自分の殻を破れないでいる新人マキタくんに対して、五百旗頭さんが放った「パンツを脱いでほしいんだ」が強烈なインパクト。
「自分の好きな作品をけなされるってのはなあ、自分の魂けなされることと同じなんだよ!」
ニールソンの叫びでパンツが脱げたマキタ、このくだりは読者もスッキリ留飲が下がる。
中田伯クンの「発売前重版決定」を祝しつつ、9巻へ!
9巻
2017/4/12発行。
中田伯クンの初単行本出版に浮かれる心ちゃんだが、相変わらずアシスタントが長続きしない。少し心を許せたアシスタントからの厳しい指摘に涙をこぼす伯クンに、人間性の芽生えと今後の成長性を感じる。
及川さんの結婚に喜び、「かわいそう」を乗り越えるアユちゃんにエールを送り、高畑一寸先生から新人作家への的確なアドバイスに感動。
なにしろ登場人物が多く、それぞれのキャラとストーリー設定が素晴らしいだけに、泣き・笑い・落ち込み・感動しと忙しいマンガである。もちろん、いい意味で。
雑誌の「付録」を懐かしく感じつつ、「その手が自分と周りを幸せにする手でありますように」に強く共感して10巻へ!
10巻
2017/10/12発行。
「タンポポ鉄道」実写映画化決定!
原作者、映画会社、芸能事務所、監督、脚本家、出版社の映像部門担当者。それぞれの立場と想いが錯綜しながら、感動の作品へと仕上がってゆく過程に惹き込まれる。
マンガ内に登場するマンガがどれも「実際に読んでみたい」と思わせる設定ばかりなのだが、なかでも「タンポポ鉄道」が特に読んでみたく、またこの映画作品も無性に観てみたくなる。
フォントにこだわる作家と書体デザイナーの世界も非常に興味深かった。
ベテラン作家 御蔵山先生のスピーチに感動し、11巻へ!
11巻
2018/5/11発行。
高畑一寸先生とわかちゃんの淡い恋で始まる11巻。マンガ的にはこれでいいんだろうけれど、ワガママな元カノにふりまわされる一寸も見てきているだけに、ハッピーエンドにしてあげたかった気持ちもあり・・・。わかちゃんのために身を引いた一寸に、幸せな恋が訪れますように。
三作目が描けずに悩んでいる女性作家が、電子書店での初作品大ヒットを受けて次作への意欲を取り戻してゆく。ポップで可愛い作品「あに丸ジャンクション」、これも読んでみたいなぁ。
「編集者になりたい」と夢を表明したアユちゃんと、アユちゃんと話せて笑顔になる中田伯クンの今後に期待。
「40代にはすべてがまぶしいのよおおお!」と泣く染谷さんに激しく共感しつつ(笑)、12巻へ!
12巻
2018/12/12発行。
「Web漫画誌」創刊決定により、新たな関係を築く安井さんと東江絹ちゃん。安井さんの真摯なプロフェッショナルぶり、自己主張ができるようになった絹ちゃんの成長ぶりに、心が温まる。
五百旗頭さんから心ちゃんへの名言「グチを言うってことは、覚悟していないってことだ」。
うっ。多くの人がこのセリフに「五百旗頭さん、ごめんなさい。ごめんなさい。反省します、改めます!」となったのではないでしょうか。
母親に続き父親との対面も果たす伯クンだが、痴呆症で息子のことも忘れてしまっている姿に嘔吐してしまう。
「自分が手がける作品に対して、誠実でいろ!」ラストでの五百旗頭さんの名言にも姿勢を正し、13巻へ!
13巻
2019/6/12発行予定。
セット買いがお得!
これから購入される方は、まとめ買いがお得です。特に中古セットなら格安ですよ。
ドラマ
わたしはドラマは観ていないのですが、五百旗頭敬役のオダギリジョーさんがあまりにキャラそのもので、とても気になってます。
Amazonプライム・ビデオで無料視聴できるようだから、時間を作って見てみよう。