しまなみ海道 尾道市生口島『日本料理まきの』の牧野大将から、「シャネル・ジャパン前社長の若かりし日の恋の地が、瀬戸田って知ってる?」とお聞きしてビックリ!
1995年から2018年までシャネル・ジャパンの社長を務められたリシャール・コラス氏は、1972年に初来日された際、瀬戸田で恋に落ちたのだそうです。
「シャネル・ジャパン社長時代も何度も瀬戸田へ来られてるし、ウチの店にも来てくれたことがあるんよ」で、更にビックリ!
そうしょっちゅうは買えないけれど、シャネルは子どもの頃から一番憧れているブランドなんですもの。
瀬戸田での恋物語が描かれた小説『遥かなる航跡』(原題「La Trace」)、ご紹介しますね。
リシャール・コラス氏
1953年7月8日生。
フランス南部の地中海に面するオード県に生まれる。1972年、自身が18歳のときにエールフランス航空のパイロットである父親の勧めで初来日。来日の目的はニコンのカメラを買うためであった。1975年にパリ大学東洋語学部を卒業。同年より2年間、在日フランス大使館に勤務する。1979年、ジバンシィ入社。1981年のジバンシイ日本法人会社の設立に参加し、4年間代表取締役として勤めた。1985年、シャネル株式会社に香水化粧品本部の本部長として入社する。1995年には、シャネル株式会社代表取締役社長に就任した。2018年、トラベル・リテール事業責任者として本部のあるスイス・ジュネーブに移り、シャネル日本法人取締役会長も兼務となる。
作家としてのデビュー作は『遙かなる航跡(原題「La Trace」)』である。この本は著者が18歳の夏に初めて日本を訪れた時の体験が元になっている。Wikipedia
2018年12月1日付で、23年間務められたシャネル・ジャパン社長を交代。
遥かなる航跡
2006年に上梓された、コラス氏の処女作かつ自伝的小説。
「瀬戸田で繰り広げられる恋物語」に期待満々で手に取りましたが、物語は過去と現在を行き来しつつ、パリ~東京~日光~神戸と展開されるので、瀬戸田が出てくるのは小説の後半部分。
1972年の瀬戸田は、しまなみ海道サイクリングでよく立ち寄る「瀬戸田サンセットビーチ」も黄色いアーチの「高根大橋」もないのはもちろん、しまなみ海道の橋すら架かっていません。
本州や四国から生口島(瀬戸田)へ行くにも、生口島と高根島を結ぶのも、船しかない時代のお話です。
「アムールの国」フランス人らしい感性と、日本文化に対する深い理解をベースに描かれる小説は、詩的表現の美しさにまず魅了されます。
原文を読んだことがない(そもそもフランス語が読めない)ので、コラス氏の原文直訳なのか、翻訳者の堀内ゆかり氏の表現が素晴らしいのかは判断できませんが、少し古いフランス映画を観ているかのような世界観。
前半は「少し冗長だなぁ」と感じるところもありましたが、現代のコラス氏へ謎の手紙が届き始め、様々な伏線が張られながら物語が展開し始めるあたりから、ページをめくる手が止まらなくなりました。
衝撃の結末は、読後もあとを引きますよ・・・。
シャネルがお好きな方、瀬戸田がお好きな方、ぜひ読んでみてくださいませ。
コラス氏に想いを馳せる
コラス氏がシャネル・ジャパン社長のうちに、瀬戸田で「CHANEL クルーズライン発表会」などできなかったものか・・・!
この小説を読んだあと、シャネル好きな友人数人に「この話、知ってた?」と聞いてみましたが、誰もご存じない。
でも女性陣は「えーっ、そうなん!すぐ小説買って読んでみる」「瀬戸田で何かシャネルのショーをやってほしかった!」等々、わたしと同じ思いを持ってくれる方がたくさん。
男性陣は・・・、「うーん、ハイブランドには全然興味ないし」とおっしゃる方が多数でした。
今はスイスにお住いのコラス氏ですが、また瀬戸田へいらっしゃることがあれば、講演会をお願いしたいなぁ~♡
牧野大将をはじめ、瀬戸田の皆さんにお願いしておこう!
東日本大震災を題材にしたこちらの作品も、読み応え抜群です!