2016年6月14日、脳科学者 黒川伊保子さんの尾道講演へ参加させていただきました。
ご講演タイトルは、「心を動かす言葉選び」~潜在脳に届くことばの秘密~。
笑いあり涙ありの90分。
ビジネスパーソンの一人として、女性の一人として、学ぶことの多い充実の講演会でした。
わたしの感想とともに、ご紹介しますね。
目次
ナマ黒川伊保子さんの印象
登壇されて1分もたたないうちに衝撃を受けたのは、
「なんて可愛い女性なんでしょう!」
という、驚きと尊敬が入り混じった感情の高ぶり。
大変失礼ながら、ご著書やインターネットでお写真を拝見する限り、「少し押しが強そうで、おかたい女性研究者」という印象を持ってしまっていたのです。
それがまぁ、立ち居振る舞い、声のトーンと話し方、仕草、すべてがとても可愛くていらっしゃる。
女性として見習うべき点をたくさんお持ちで、感動しながら終始見つめまくってしまいましたよ~。
「日本語はなぜ美しいのか」を読んでて良かった!
発音体感を中心にした「ことば選び」のお話は、ご著書『日本語はなぜ美しいのか』を読んでいたので、すごく分かりやすく聴くことができました。
▽
妊婦さんが幸せでいることが、一番の英才教育
人間が人生で初めてことばに出会うのは、母親の胎内にいるときなのだそうです。
妊娠6週目には物理振動を感じるそうで、お母さんがどれだけ幸せな状態で過ごしているか、どんな話し方をしているかが影響するのだとか。
優しいお母さん、幸せなお母さんから生まれた子どもって、確かに素直で性格がいいように感じますものね。
ことばの聞き分け、期待感
日本人が聞き分けられないBとV、手の平に息をふきかけられると違いが分かるそうです。
「外国語を身に付けたいなら、その国の恋人をもつのが一番早い」とよく言われるのは、いろんな意味であってますね(笑)。
「はい/ええ/そう」語感の違い。
はい:凛々しくて安心。「はい」が美しい人は、仕事ができるように見える
ええ:奥ゆかしさと柔らかさ、全体をみている感じ。「よく分かってます」な印象
そう:優しく受け止める。 そ=爽やかなのに包容力がある。
解説していただくと、深く腹に落ちますね。
「はい/ええ/そう」、もう少し意識して使い分けてみよう。
語感と日本語
K(か行) かたい
S(さ行) さわやか
T(た行) 充実感、生命力。艶やかさ。
M(ま行) あたたかい
Y(や行) やわらかい
「結婚前はヨシカワだったんだけど、科学者としては柔らかい感じだから、結婚してクロカワになるのが嬉しかったの。腹黒いこと考えてても、クロカワなら違和感ないでしょ(笑)」と、黒川さん。
ふだんの生活で意識する機会は少ないですが、わたしたちも無意識のうちに名字・名前から相手の印象をはかってるのでしょうね。
母音と子音でつくる、相手との距離
母音と子音
柔らかく聞こえる母音と、固く聞こえる子音。
イタリア語は母音中心
ドイツ語は子音中心
日本語は完全二重言語
アモーレと美食の国イタリアと、医学・重工学が発達しているドイツ。こうして比較してみると、本当に面白い。
心を開いてもらいたい相手には意識して母音(訓読み・やまとことば)を使い、凛々しい関係をのぞむ相手には心がけて子音(漢語・音読み)を使うといいでそうです。
高校野球名監督でいらっしゃる、池田高校の蔦元監督の名言
「試合前は漢語、試合後のねぎらいはやまとことば」
部下を育てるときは子音言葉、褒めるときは母音言葉を意識。なるほどなるほど。
しつこい男性相手には、低めの声音で子音言葉を連発するとよさそうですね!(笑)
男女の会話の違い
〇女性は「共感」のために会話をする = 共感欲求(共感が知識となる)
〇男性は「問題解決」のために会話をする = いきなり攻撃されたら「認められた」と喜ぼう
同じ「ホモサピエンス」なのに、男女の脳はなぜかくも異なるのか(笑)。
「オンナを殺すのに刃物はいらないのよ。「共感」が得られないと死んじゃうもの」
黒川さんのお言葉に、場内にいた女性全員、大きくうなずきましたものね。
さて、男性に質問。
今夜帰宅したとき、奥様が「今日ね、腰が痛いのよ」と言われたら、第一声になんておっしゃいますか?
「病院には行ったのか?」
ブッブーーー!!!!!
ぜひこの本をお読みになって、奥様の気持ちを分かってあげてくださいネ。
▽
最高の親は、失敗を笑い飛ばす親
「結果にコミットしない親だけが、一流の子を育てられる」
子どもの結果に、親が本人以上に一喜一憂していたら、子どもが委縮してしまうのはよく分かりますね。
「失敗は、最高の脳のエクササイズ!脳の回路は死ぬときまで書き変わる」
そうなので、親も子も、大人も子どもも、失敗を恐れずチャレンジして、果敢にエクササイズしていきましょう!
最高の出世ことば 他人が失敗したときに「〇〇してあげれば良かった」
まとめ
ここ1年、黒川伊保子さんのご著書を何冊も読んでいたので、尾道へ来られると知ったときは夢のようでした。
視覚を使って文字から学ぶ本と、聴覚と視覚を使って「場」から学ぶ講演は、やはり心への響き方が全然違いますね。
もちろん本から学ぶこともとても重要ですが、機会があればこれからもどんどん講演会やセミナーに参加して、「人」そのものを感じながら学んでゆきたいです。
黒川伊保子さんのオススメ著書