2019年11月16日(土)~、尾道市立大学教授『稲田全示 尾道市立大学退任記念展』が、尾道商店街「尾道市立大学サテライトスタジオ」で開催されています。
稲田先生は尾道北高ご卒業後、東京・海外で輝かしい活躍をされ、2001年からは地元尾道市立大学 美術学科教授として、若者の育成と尾道活性化に力を注いでこられました。
尾道のガイドブック『オノボン』制作時には、綿密な調査・撮影のため、大学生と一緒に自転車で走りまわっておられたのが懐かしいですね。
皆様に是非お運びいただきたい個展、ご紹介します。
稲田全示 尾道市立大学退任記念展
会期:2019年11月16日(土)~12月8日(日)
10:00~18:00(水・木 休館)
場所:尾道市立大学サテライトスタジオ
尾道市土堂1-8-5
https://goo.gl/maps/HJoB6P9qRDo7kAez6
入場:無料
2019年12月1日(日)14:00~ギャラリートーク(予約不要)
稲田全示 尾道市立大学退任記念展、行ってきました
ゴージャスなお花に彩られた「尾道市立大学サテライトスタジオ」。
会場に到着して気付いたのは「稲田先生のご活躍ぶりやお人柄はよく存じ上げてるけど、作品をじっくり拝見するのは初めてじゃわ!」。
サテライトスタジオの白壁に展開された稲田全示ワールド。
ちょうど稲田先生が在廊しておられ、作品説明や当時の想い出などをお聞きできました。なんてラッキーなんでしょう。
正面の12枚は、昭和シェル石油株式会社コマーシャル月刊誌の表紙。
バブル華やかなりし時代、1年間にわたって12ヵ国を車で旅し、写真ではなくすべてイラストレーションで月刊誌を制作されたそうです。
現代では考えられない制作費とギャラをかけ(お聞きしたけどここには書けない)、イタリア、メキシコ、エジプト、タイ、オーストラリア、ブラジルなどをめぐられたんですって。
なんて羨ましいお仕事!誰かわたしに「ブログ書きながら世界旅行しておいで」って言ってくれないかな(笑)。
第1号イタリアをとりあげた月刊誌。海外のファッション誌のように洗練されていて、今すぐイタリアへ旅立ちたくなる構成と文章。とても30年前の作品とは思えません。すごい、素晴らしい。
左手の像は、ノルウェー版の表紙となったバイキング船の船首像。
表紙はすべて日本画で描かれていて、金箔と炭を効果的に使っておられるそうです。「どうやったらこの荘厳な色合いが出るんだろう?」と感じてましたが、金箔なのですね。
手前の生地は、パリの「オールドテキスタイル」。パリやイタリアの蚤の市に通ってコレクションされたそうです。
「現在の技術ではこの繊細さはもう出せない」とお聞きして、驚愕。すべての技術が進歩していると思いがちですが、芸術・建築は昔の方が優れていた技術がたくさんありますね。
テキスタイルデザイン会社時代にデザインされた、女性服の花柄・水玉・幾何学模様など。
「わたしが大学生のころ(1990年~1994年)、この薔薇やペイズリーが流行ってました!稲田先生のデザインだったのかも!」
「先生、この水玉のワンピースが着たいです」
「黒地に百合は、チャイナ風のドレスにしたいです」
どの柄も本当に素敵なんですよ。華やかな柄のお洋服、また流行ればいいのに。流行ってなくても、作ってくだされば着るのに!!
今回の個展のために制作されたのは、熱帯の樹々、花、鳥の水彩画。写真のような繊細なタッチで描かれた作品は、水彩画とは思えない迫力と立体感に満ちています。
一番左のブーケはふわり柔らかいタッチで描かれていて、「先生、わたしが結婚したらプレゼントしてください」と言いそうになりました(笑)。
14色の羽に覆われた南アフリカの鳥「ライラック・ブレステッド・ローラ」。羽、瞳、嘴、爪、止まり木、それぞれの質感がすごい。
「販売はされないんですか?」と質問したら、「買いたいって言う人がいたら考えんこともない」とおっしゃってましたよ。
稲田先生の左手にある作品は、世界最大の花「ラフレシア」。
この花が書きたくてボルネオ島へ行ったけど咲いてなくて、現地の人に「咲いてるかどうか確認してから来なよ」と笑われたそうです。開花時期を確認し、再訪されたんですって。
今はもう入手不可能な尾道巨石ミステリー『隠された神話』(2008年2月に刊行)、尾道観光ガイドブック『オノボン』(2011年10月刊行)も展示されていますよ。ふふふ、わたしは2冊とも所蔵しております(自慢)。
『熱帯雨林』はAmazon、楽天で数部販売されています。今のうちに購入しておきましょう。わたしはAmazonで購入しました。
稲田先生の人気ぶりが伺える、生花やお酒など。
日工株式会社 阿形淳一社長から。
もちろん、NPO法人プラットフォーム・おのみち(徳永修代表)からも。
稲田先生、ご退任後もますますのご活躍を期待しております!是非とも「隠された神話2」「オノボン2」の制作をお願いしたいです!!
稲田全示先生に関する記事一覧はコチラ。
問合せ先
尾道市立大学美術学科
デザイン共同研究室
電話:0848-22-8311