尾道の歓楽街 新開にお店を構えて数十年の『焼鳥 とり平』(とりへい)さん。
いつも常連さんで満席の人気店です。このたびやっと予約が取れて、初訪問させていただきました。
丁寧な細かい作業で仕込まれた焼鳥と、お酒が進みまくる秘伝のタレ。大将おすすめの日本酒群。
常連になって通いたい焼鳥屋さん、ご紹介しますね。
焼鳥 とり平のメニューは?
〇かわ 130円
〇きも 150円
〇にこみ 450円 他
メニューは黒板に書かれていますが、ほとんどのお客さんは「大将、おまかせ」だそうです。
焼鳥 とり平、ミホが食べたのは?
お友達5人でお邪魔し、大将おまかせコースをお願いしました。
まずは、生ビールでかんぱーい♪
日本酒の品揃えも素晴らしいと伺っていたものの、やっぱり最初の一杯目はビールをキューっといきたい。
一品目は、あっさりおつまみ。
柔らかい鶏肉に、辛みと食感を残した玉ねぎと、シャッキリもやしがナイスマッチング。
心がほぐれてゆく優しいお味の、煮込み。
醤油仕立ての鶏スープに、トロトロの鶏、大ぶりなじゃがいも、きのこ、大根が入っていて、結構なボリュームです。
目の前で焼かれる焼鳥。
ずらりと並ぶ串を見て、ビックリ。なんて細かくて丁寧な作業が施されているのでしょう!
火の通り加減を確認しながら、串の位置を変えてゆく大将。経験を語る男の手が、なんとも渋い。
女性に嬉しいコラーゲンたっぷり、鶏の煮凝り。薄味でぷるぷる食感。
最初の串は、肝。
最初に「苦手な食材はないですか?」と聞かれたときに「ありません」と答えたものの、ほんの少しでも臭みがある肝類は無理。
が、さすがは評判の高い『とり平』さん。臭みなどあるはずがなく、ねっとり濃い肝を美味しくいただきました。
呑兵衛好みなタレも秀逸。甘みはほぼなく、熟成間のあるまろやかな辛みで、お酒が進みます。
くりから。「くりからってどこの部位ですか?」と尋ねたら、せせり(首肉)の別名だそうです。
薄くそいだせせりを串に巻きつけてあり、独特の風味と程よい焼き目のカリカリ感が美味しい。
大好きな、つくね。大葉が入って爽やか、何十本でも食べられそう。
ささみのタタキ。肉質の良さを実感できる一品。タレも美味しい。
さぁ、ここから日本酒へ!
「豊香 純米生原酒 生一本」(ほうか)。
蔵元:豊島屋
生産地:長野県岡谷市
使用米:長野県産しらかば錦、長野県産ヨネシロ
「豊香」の名のとおり香り豊かで、華やかな余韻が長く楽しめます。
縁起のいいネーミング「祝酒 開運」。
蔵元:土井酒造場
生産地:岡県掛川市
使用米:山田錦、はえぬき
スッキリしていてキレもよく、食中酒にピッタリ。
ふっくらねぎま。焼き加減も絶妙だし、なんといってもタレが美味しい。白ネギの甘さもいいわぁ。
白髪ねぎ鶏。
白髪ねぎの刺激が胃をリフレッシュしてくれて、新たな食欲が湧いてきます。
「吟醸 極上吉乃川」。
蔵元:吉乃川
生産地:新潟県長岡市
使用米:新潟県産米
サラリとしていてとても呑みやすく、知らぬ間に杯が空になってしまう。
皮と白ネギ。
焼鳥のなかで皮が一番好きなのですが、これほど丁寧に仕込まれた皮串は初めて。
コクがあってなめらかな喉越し、「松の司 産土」。
蔵元:松瀬酒造
生産地:滋賀県竜王町
使用米:国産米100%
大将の奥様お手製、おからとポテトサラダ。
生姜をきかせたおからも、超クリーミーなポテサラも、家庭的なほっこり味。焼鳥のタレもおからも、甘味がほとんどないのがとても好み。
熟成感があってゆったりと味わえる、「黒帯 悠々 特別純米」。
蔵元:福光屋
生産地:石川県金沢市
使用米:山田錦、金紋錦
キャベツ、大葉、カイワレのサラダ。
「よくコールスローって言われるんじゃけど、コールスローじゃないんよ」と大将。
あっさりシャキシャキで、めっちゃ美味しい。わたしも今度からキャベツサラダに大葉を足してみよう。
皮はパリパリ、お肉は柔らかくてジューシーな、唐揚げ。
「どうやったらこんなにパリパリに揚がるんじゃろうね?」と話していたら、
「鶏の脂で揚げとるんよ。鶏を料理するときに出る脂をためていくんじゃけど、美味しいけぇちょっとなめてみ」。
芳醇な味わいの鶏脂。おうちでも鶏皮せんべいを作ったあとの脂、捨てないで取っておかなくちゃだわ。
ピリ辛キュウリもいいお味。
マンガ「夏子の酒 尾瀬あきら」のモデルになった『久須美酒造』さんが醸す、「清泉 純米吟醸」。
蔵元:久須美酒造
生産地:新潟県長岡市
使用米:五百万石、早生自慢、山田錦
柔らかな口当たりで、吟醸香が爽やか。
ラストのお酒は、なんと白ワイン!
「鳥居平100% 2011」。
ミララリーですっきりした辛口、ほんのわずかに感じる微発砲。すごく好み。
「居を隠したら『鳥平』になる」と、大将のお嬢さん(同級生)が毎年プレゼントしているワインなんですって。ぽんぽんものを言い合えて、お互いを思いやってる親子愛に泣ける。
醸造元:シャトー勝沼
生産地:山梨県勝沼町
葡萄品種:
仕事は丁寧、お人柄はとても気さくで大将、大ファンになっちゃいました。
優しい優しい鶏スープで五臓六腑が癒されたところで、ごちそうさまでした。
これだけ食べて呑んで、1人6,000円は安い!
なかなか予約が取れないのが難点ですが、近いうちにまた伺いたいなぁ。
焼鳥 とり平、雰囲気や接客は?
お店があるのは、尾道の歓楽街「新開」。『洋酒喫茶 貝の店ロダン』さんの斜め向かいです。
長年の歴史を感じる佇まいと、呑兵衛の琴線に触れる赤ちょうちん。
店内はL字型のカウンターのみ。大将一人で営業されています。
愛煙家の方には嬉しい、店内喫煙可能店。(※嫌煙家の方は行かれないほうがいいかと思います)
気さくな大将とのおしゃべりを楽しみながら、丁寧に仕込まれた焼鳥と日本酒に舌鼓を打てるお店。
予約が取れにくいので、行かれる際は早めに連絡してみてくださいね。
お店情報
焼鳥 とり平(とりへい)
〒722-0045 広島県尾道市久保2丁目16−4
電話: 0848-37-8921