広島文化賞を受賞している「尾道薪能」、第27回となる2018年は5月12日(土)に開催されました。
尾道の古刹「浄土寺」の阿弥陀堂(重要文化財)を舞台に繰り広げられる、静謐で幽玄な世界。
観世流 吉田潔司氏・吉田篤史氏・吉田和史氏・吉田学史氏、三世代の息がピッタリと合い、能鑑賞に慣れていない人もみるまに惹き込まれてゆきます。
四半世紀を超えて続く「尾道薪能」、ご紹介しますね。
第27回 尾道薪能
尾道市政施行120周年記念
尾道市・今治市姉妹都市提携50周年記念
広島文化賞受賞
<第27回 番組>
仕舞 小袖曽我
話 能「鵺」への誘い
狂言 魚説法
仕舞 鶴亀、田村
火入式
能 鵺
室町幕府三代将軍足利義満の庇護のもと観阿弥・世阿弥父子によって洗練されてゆき、戦国武将に愛された時代を経て、江戸時代に最盛期を迎えた能。
足利義満の庇護の下大成した能の世界を、足利尊氏ゆかりの浄土寺で観る― 京都より、重要無形文化財の 観世流シテ方・吉田潔司氏、 観世流シテ方吉田篤史氏を迎え行われる一夜の世界。
700年の時を経てなお優美な佇まいの阿弥陀堂で、篝火に映し出される幽玄な能の空間は、観る人を魅了し、尾道の初夏の恒例行事として、広く市民に親しまれています。
尾道薪能ホームページより。
能って難しい?
「能を観に行くの♪」と言うと、「観て分かるもんなん?高尚で難しいんでしょ?」とよく言われますが、いえいえ、初めての方も楽しめる芸能だと思いますよ。
尾道薪能は特に観客に優しくて、パンフレットに能のあらすじがコミックで紹介されているんです。
主なセリフも別ページに印刷されているので、開演前にさらりと目を通しておけば「あ、今こんな展開なんだな」とだいたい理解できます。
更に番組内の「話」で吉田潔司さんから優しく解説をいただけるので、ゆったりと能の世界にひたれますよ。
狂言に至っては終始笑いっぱなしですから、老若男女問わず楽しめます。
今回の「魚説法」は子どもにも親しみやすい内容だったので、近くの席にいた子どもたちが「アハハ、イワシだって!タコだって!」と笑い転げているのが可愛かった♪
「・・・サヴァ?」の間と発声には、わたしも吹き出してしまいました(笑)。
鵺
19時頃「火入式」が行われ、篝火に浮かび上がる阿弥陀堂を舞台に厳かに舞うシテ、高らかに響く鼓、地謡・・・。
大学時代に「能・狂言」の授業を履修していたので、19歳から何度も能鑑賞はしてるのですが、薪能、それも浄土寺の阿弥陀様の御前で演じられる能は格別です。
来年も絶対行かなくては。今からとっても楽しみです。
※能舞台は撮影禁止なので、夜の写真は終了後に撮影したものです。
尾道薪能ホームページ
https://ermjp.com/noh/
尾道薪能 注意点
開場は17時ですが、16:30ころには行列ができています。
来賓席を除き完全自由席なので、いい席を取りたい方は早めに並びましょう。
阿弥陀堂前を中心に、約800席が並びます。
<持ち物>
開場時は日差しが強く、日が落ちるととたんに冷え込みます。
・飲み物(境内に自販機あり)
・日傘、帽子
・ひざかけ
・羽織るもの
・ざぶとん(パイプ椅子対策)
をお持ちになることをオススメします。
浄土寺の歴史
616年に聖徳太子が創建したと伝えられています。
室町時代 初代将軍 足利尊氏と縁が深く、境内には供養塔が建立されています。
「本堂」「多宝塔」は国宝、「山門」「阿弥陀堂」は国重要文化財、境内一帯は国指定文化財。
事前に予約すれば、本堂内陣・阿弥陀堂内陣・庭園等を拝観することもできますので、詳しくはホームページでチェックなさってくださいね。
浄土寺 情報
浄土寺(じょうどじ)
〒722-0043 広島県尾道市東久保町20−28
電話: 0848-37-2361
https://www.ermjp.com/j/temple/
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