2022年6月に尾道市三成に誕生された、「やさしさの循環」がテーマの宿泊施設『尾道のおばあちゃんとわたくしホテル』さん。
このたび嬉しいご縁をいただき、一棟貸しで宿泊させていただきました。
チェックイン時には、隣接する小規模多機能居宅介護施設の利用者さんお二人が迎えてくださり、まるで自分のおばあちゃんの家へ帰省したかのよう。
ほっこり心が温まり、日常の慌ただしさから解放される素敵な宿泊施設、ご紹介しますね。
目次
尾道北部で過ごす、0.25倍速のスロー・ラグジュアリー
尾道といえば、歴史ある箱庭のような街並み、瀬戸内海の多島美、しまなみ海道サイクリングなどのイメージが強いと思いますが。
こちらは観光地からは離れた尾道市北部。海も坂道もない、ゆったりとした時間が流れる尾道に出会う旅を体験できます。
「わたしがわたくしになる、0.25倍速のスロー・ラグジュアリー」と掲げたこのホテルでは、日頃の喧騒から解放され、ゆったりとした時間と心の豊かさを取り戻せる空間が待っていますよ♪
宿泊日が偶然テレビの取材日と重なり、少しだけ広島ホームテレビに登場させていただきました。特集は【公式】HOME広島ニュースYouTubeチャンネル「自分が入りたい“施設”をホテルに/おばあちゃんが活躍中!」でご覧いただけます!
ホテルの特徴:「やさしさの循環」
ホテルは小規模多機能居宅介護施設「ゆずっこホームみなり」に隣接しており、介護と宿泊の枠を超えた新しい形のサービスを提供しておられます。
尾道市街地・新尾道駅から184号線を北上し、「YUZUCCO HOME MINARI」「尾道のおばあちゃんとわたくしホテル」と書かれた看板を左折すれば、そこはもうホテルの敷地内。
「184号線にこんなに静かで自然豊かな空間を作れるなんて!」と驚きます。
感動のチェックイン:おばあさまの歌声
チェックイン・チェックアウトは、介護施設1Fで行います。
チェックイン時には、介護施設利用者のおばあさまお二人が暖かく迎えてくださいました!
沖縄ご出身のKさんと、鹿児島ご出身のMさん。Kさんは「わたしは人が大好きなんよ。沖縄の歌、聞きたい?」と沖縄民謡を披露してくださり、チェックイン時から大感激。涙がこぼれそうでした。
村上美香さんの詩が織りなす世界
敷地内には、尾道出身のコピーライター、村上美香さんの詩が随所に散りばめられています。
誰もが「母」との思い出にひたってしまうであろう「母との旅」。初冬の風景と共鳴し、深く心に響きますね。また、涙がこぼれそう。
共同リビングに置かれた机には、村上美香さんの詩がプリントされたしおりが並べられ、1人2枚気に入ったものを持ち帰ることができるんですよ。
村上美香さんの詩を探しながら、お庭を散策するのも楽しい時間。
優しく語りかけるような詩は、利用者さんの昔の記憶を呼び起こすのにも一役かっているそう。
ホテル:完全バリアフリーの優しい設計
室内外すべて完全バリアフリーで設計されていて、障がいのある方や高齢者にも優しい環境が整えられています。
各部屋の洗面所は車椅子でも使える高さに設計され、スイッチも低い位置にあり、いたる所に手すりを設置。どの空間にも車椅子で移動できるスペースが取られ、玄関・お風呂・トイレなどの出入口は引き戸です。
様々な樹木や草花が植えられたお庭も、車椅子で散策できるよう整えられています。
「お部屋でお手紙を書かれたら、このポストに入れてくださいね。職員が切手を貼って投函します」とのこと。なんて心温まるサービスなんでしょう。
疲れたら休めるようにと、お庭にもベンチや椅子が設置されています。どこまでも、どこまでも、人に優しい施設。
夜の雰囲気も素敵ですね。
ホテルの宿泊人数・アメニティ―
部屋数は3部屋。一棟貸しの場合は、8名まで宿泊可能です。
イベント(パーティーなど)利用時は、最大15名まで利用可能。
こちらがホテルの玄関。
玄関を入ったら、この靴箱に靴をしまいましょう。
靴箱の上には、大好きな陶芸家 吉野瞬クンの一輪挿しが!
玄関奥の椅子とライト。
玄関を入って右手が、共有部のリビングとダイニング。以下で詳しくご紹介しますね。どのお部屋にも共有部にも、テレビはありません。
リビングのサイドチェストに、パジャマが入れられています。
男女それぞれ数サイズあるので、ほとんどの方は自分に合うサイズがあると思いますよ。
チェスト2段目の引出には、電源コード。共用部で使うものなので、一棟貸しじゃない場合は持参したほうがよさそうです。
ホテル内:共同リビング・共同ダイニング
リビングダイニング案内図が置かれているので、どこに何があるか一目瞭然。
お勧めの過ごし方も紹介されているので、ノープランの方はこれに沿って過ごしてみるのも楽しそう。
※「おじいちゃんおばあちゃんとのアクティビティ」は時期をみて開始したいそうです。
ここで眠ってしまいそうになる癒しのリビング
ゆったり寛げるよう、大きなソファや籐椅子が置かれたリビング。
エアコンにも木製のカバーがかけられ、自然な雰囲気を損なわないよう配慮がされています。これ、家でもできないかな。
窓が大きく高く取られ、季節や時間の移ろいを感じられます。
夜は静かに瞑想したり、ストレッチして過ごすのも健康的ですね。
パソコンやスマホの普及に伴って「手紙を書く」という行為をしなくなってしまいましたが、たまには自筆でお便りしたくなりますね。
自炊やBBQを楽しみたくなるキッチン
スタイリッシュなキッチンには、自炊に必要な家電や用具が揃っています。
左から、食器棚、冷蔵庫、トースター、湯沸かしケトル、電子レンジ。
珈琲カップ、ティーカップ、ワイングラス、お湯のみなどなど、センスのいい食器が飾られています。
カトラリー類は引出に。
お皿類も素敵。近くにスーパーもあるから「暮らすように過ごす」が実現しやすいですね。
ガスコンロ台の下に、炊飯器、フライパンや鍋類、ゴミ箱。
落ち着く音を刻む、「BALMUDA(バルミューダ)」の珈琲メーカー。
『浪漫珈琲』さんの珈琲を淹れ、
綺麗に活けられたお花を眺めつつ、美味しくいただきました。
日本茶、オーガニック紅茶も置かれています。
大きなテーブルで、お仕事もサクサク進みます。
蚊取線香やキンチョールなど、虫よけ対策もバッチリ。
トロリー上には、陶芸家 吉野瞬クンのワインクーラー!
大きな窓とテーブルが印象的なキッチンは、灯りがともる時間帯も素敵。
テラスの焚火台。20:00まで、焚火やBBQをしても良いそうです。
次回泊まりに来るときはどこにも出かけず、ここで自炊やBBQをしてゆっくり過ごしたいなぁ。
独自のテーマで作られた3つのお部屋
3つの個性豊かな部屋はそれぞれ異なるテーマで装飾されていて、訪れる人々を楽しませてくれます。
今回は一棟貸し利用だったので、全部屋を見学させていただきました。
Room.3「まるで、わたくし」(眺めのいい和室、湯船付き)
まるで、わたくし。
27.5㎡。1~4名。
今回宿泊させていただいたお部屋はこちら。琉球畳が素敵な和室タイプです。
このお部屋だけは、畳部分とお風呂が高くなっているので、完全バリアフリーを望む方は洋室をお勧めします。
お部屋の小机には、お水とレターセット、メモ帳。このレターセットで、あの机に座ってお手紙を書き、あのポストに入れればいいのですね。
洗面台には椅子が置かれ、腰かけてゆっくり髪の毛を乾かしたり、身支度を整えたりできます。
ドライヤーは鏡の後ろの収納棚。ちょっと見づけづらいので、鏡を開いてみてくださいね。
クローゼットはなく、上着などは壁のハンガーにかけるようになっています。長期滞在でお洋服が多いときは、なにか工夫が必要かも。
アメニティも充実。
トイレのドアも、脱衣所との仕切りも、動かしやすい引き戸。
このお部屋にだけ、浴槽あり。お風呂にゆったりつかりたい方は、このお部屋がお勧めです。
タオル、バスタオル、バスマット。
トイレも広く作られています。
Room.1「されど、わたくし」(小さな庭つきの洋室)
29㎡。1~2名。
テンピュール製のリクライニング式ベッド(セミダブルサイズ)が2台。
暖かいお茶を飲みながら、ゆっくりまったりしたい雰囲気。
木製のベンチチェアも座り心地がよさそう。
シャワールーム。希望があれば、介助用の椅子を貸してもらえるそうです。
トイレ。
Room.2「もしも、わたくし」(クイーンベッドと大きな窓の洋室)
」
25㎡。1~2名。
こちらのお部屋にはテーブルや机がないので、自室でパソコン作業や読書をしたい方は、他のお部屋にされるほうがいいかと思います。
洗面台。
尾道市三成グルメと尾道三成の温泉
今回は近くのレストランを予約してから出かけたので、夜・朝とも近隣グルメを楽しみました。
フレンチ『レストラン・オ・ゼルブ』でディナー
夜は近くの名フレンチレストラン『レストラン・オ・ゼルブ』さんで、12月限定クリスマスコースをいただきました。(記事準備中)
『養老温泉郷 天然温泉うら湯』で入浴
ディナーのあとは、近くの『養老温泉郷 天然温泉うら湯』さんで、温泉とサウナを楽しみました。
『尾道浪漫珈琲 三成店』でモーニング
朝はホテルから徒歩数分の『尾道浪漫珈琲 三成店』さんでモーニングセット。(記事準備中)
まとめ:尾道のやさしい時間に寄り添う
「尾道のおばあちゃんとわたくしホテル」滞在は、ただの休息以上のものでした。
心を震わせる利用者さんとの触れ合い、三成の静かな空気が、訪れるすべての人に特別な時間を提供してくれることと思います。
わたし自身も新たな発見と感動を色々経験でき、ぜひともまた訪れたいと心から願っております。
施設情報
尾道のおばあちゃんとわたくしホテル
〒722-0215 広島県尾道市美ノ郷町三成1114-2
電話: 0848-48-3877
HP:https://watakushihotel.com/