臨済宗の修行僧(雲水さん)の食事作法を教えていただきながら、緑に囲まれた安らぎの空間でいただくおうどん。
持鉢、雲水箸など、ふだん耳慣れない言葉や風習、禅宗の厳しさと美しさに触れる体験ができるお食事処です。
「彼の生き方は禅道そのものだった」と言われる故スティーブ・ジョブズ氏、イチロー選手、稲盛和夫氏が実践されている「禅」の世界。
食物のありがたみに感謝する禅のお作法とおうどん、ご紹介しますね。
神勝禅寺 五観堂の「神勝禅寺うどん」
神勝寺うどん 1,000円。11:00~14:30。
秀路庵では抹茶と和菓子、含空院では煎茶と粟餅、 含空院では湯豆腐がいただけます。
神勝禅寺 五観堂、ミホがいただいたのは?
禅寺の食事作法はとても厳しいそうで、入店後、スタッフさん(お坊様ではなく、施設の従業員さんだそうです)から説明をしていただきます。
臨済宗では、4と9が付く日の昼食にうどんを食べる習わしがあるそうです。
禅のお作法でいただくおうどん、自然と背筋が伸びる思い。
薬味4種(ネギ、生姜、大根おろし、胡麻)と、真ん中に置かれているのは沢庵。
お箸は、「雲水箸」と呼ばれる太くて長い箸。柝(拍子木)の代わりに使うこともあるのだそう。
お箸の下にあるのは、「持鉢(じはつ)」と呼ばれる、大中小のお椀。
大:薬味、おつゆ、うどん
中:おかず
小:沢庵(おつけもの)
箸置きがないので、お箸の先はテーブルの外に出して置きます。
おかず3種。
高野豆腐、南瓜の煮付け、千切り大根。
教えていただいたとおり、雲水箸で持鉢へ、薬味、おかず、沢庵を入れていきます。
古漬け沢庵を薄切りにしてあるのですが、酸味が強くてすごく好み。
ちなみに薄切りにしてあるのは、「食事の際に音を立ててはいけない。私語もしてはいけない」ので、音が立たないための配慮だそうです。
「精進料理だから、薄味なんだろうなぁ」と思いながらいただくと、素材とお出汁の味がしっかり活きていて美味しい。
うどんのおつゆは、やかんに入って登場。
うどんは、大きな木桶に入った釜揚げうどん。
4人分とはいえ、けっこうな量が入ってます。
太っ!
福山市沼隈町周辺のうどんはもともと細麺らしいのですが、禅の風習どおり太麺にしてあるそうです。
「うどんは、ご注文から20分かかります」の説明に納得。
もっちりと食べごたえのあるおうどんです。
おつゆが意外と濃いめで甘辛いので、太うどんにしっかり馴染んで美味しい。
おうどんの次には、少し固めに炊かれたごはんが出てきます。
お米は地元・沼隈町産のものだそう。
こはんは残ったおつゆに入れて、おじやのようにいただきます。
「沢庵は、数切れ残しておいてくださいね」の説明がいきてくるのが、最後。
持鉢にお茶を注ぎ、沢庵で食べ物の汚れをしっかり拭っていきます。
大中小すべてが終わったら、すすぎ茶と沢庵いただいて、ご馳走さまでした。
持鉢を重ねて、雲水箸を上に置きます。
禅修行では持鉢を水洗いする習慣はないそうで、食事のたびにこうして、お漬物とお茶(または湯)で綺麗にするのだそうです。
食材、料理人、水に感謝を捧げるお作法、すごくいい経験になりました。ありがとうございます。
神勝禅寺 五観堂の雰囲気
木のぬくもりを感じつつも、凛とした空気が流れる堂内。
ガラス戸の外に広がる美しい庭園には小川が流れ、水車小屋の風情とせせらぎに心が安らいでいきます。
神勝禅寺さんでは、坐禅、写経などの禅修行体験も受けられます。
「雑念をなくし心と身体を整え、自分を見つめる禅修行体験」
9:30~15:00までの5時間半、自分としっかり向き合えそうですね。
神勝寺全体の様子はコチラ。
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お店情報
臨済宗建仁寺派 神勝禅寺「五観堂」
〒720-0403 広島県福山市沼隈町大字上山南91
電話: 084-988-1111
http://shinshoji.com/trial/udon.html
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