日本遺産に認定された「村上海賊」三家のうち、因島村上の本城「長崎城」跡(広島県指定史跡)に佇むオーベルジュ『ナティーク城山』さん。
もとは造船会社の迎賓館として建てられ、現在は瀬戸内海の鮮魚を堪能できるレストランと、風光明媚な眺望が広がる客室が人気となっています。
土生方面でのビジネスにも便利な立地ですし、リゾートホテルとしてゆっくり過ごすにも最適な宿泊施設。
尾道市因島で過ごす素敵な島時間、ご紹介しますね。
目次
ナティーク城山
白と青を基調にした洋館は、海に浮かぶ船をイメージして建てられたそうです。
駐車場~チェックイン
EV車充電器を備えた、専用駐車場。こちらが満車の場合は、近くに第2駐車場があります。
60段もある急な石段に驚きますが、少し奥まったところにエレベーターがあるのでご安心ください。
エレベーターに乗るには、「日立造船 因島工場」正面玄関を右へ。
左右を石垣に挟まれた道を、奥へ進みます。
突き当たりを左に曲がると、
エレベーター入口に到着。
エレベーターで4F分の高さを登り、渡り廊下を進んで玄関へ。
渡り廊下上からのぞむ、城郭の面影を感じる石垣。
通路には屋根が設置されていて、雨の日でも濡れることなく玄関へ向かえます。
こちらが玄関。入って正面のフロントデスクでチェックイン。ドアを開けた瞬間「モトタニ様ですね、お待ちしておりました」と優しい笑顔で迎えていただき、スタッフさんのホスピタリティの高さに感激です。
ロビーから階段を上がって、2F廊下へ。フロントスタッフさんが、丁寧にお部屋までご案内くださいました。
サイクリスト対応
◇専用駐輪場有
「お食事利用の場合は、エレベーター乗場からお電話ください。スタッフが専用駐輪場にご案内します」とのこと。サイクルラックもあるそうです。
◇サイクルウェアでのお食事OK!
◇宿泊の場合の自転車保管場所
基本は専用駐輪場ですが、鍵がかからない場所だそう。
団体客がいなければ、ロビー横で保管していただけるそうです。
どうしても心配な方(わたしだ!)は「輪行バッグに収納すれば、客室持込可」ですって、ありがたい。
客室
今回宿泊させていただいたのは「ワンベッドルーム 1泊朝食付きプラン」。人気の地中海料理『プリマヴェーラ』でディナーをいただきたいところですが、夕刻から会議&会食なので泣く泣く断念。
140mm巾のセミダブルベッド、2人用応接セット。ヨーロピアンテイストなベッドカバー、ソファ、カーテンがめっちゃ好みです。
あぁ、この雰囲気、色合い、大好き。
室内は22.4㎡あるので、ゆったりした気持ちで過ごせます。
ライティングデスクも大きめで、お仕事がはかどりそう。が、残念なことに、デスク周囲に使用可能なコンセントがないのです。
ベッドサイドテーブルには、コンセント2個有。
「Surface Pro 4」とスマホは、ベッドサイドで充電。充電完了後、デスクで少しお仕事。
数日間滞在しても大丈夫な、大型クローゼット。
乾燥しがちな季節に嬉しい、加湿空気清浄機。
電気ポット、テレビ、ミニ冷蔵庫、食器など。
ミニ冷蔵庫には、アサヒ「スーパードライ」350ml缶2つ、ミネラルウォーター2本、ミニウィスキー(ジャックダニエル)1本。下段は空いているので、マイドリンクやお土産などを冷やしておけますよ。
備え付けのドリンクは、驚きのお値段なのです!コンビニエンスストアで購入するのと、変わりませんよね?
急須、お湯呑み、グラス、ティーバッグ、栓抜き、マドラー。
大きなバスタブが嬉しいバスルーム。お気に入りの入浴剤を持参して、お風呂でゆっくり過ごすのもいいですね。
洗面台も広々していて、2人同時に使っても余裕だと思います。
可愛い袋にまとめられているアメニティ。
ボディタオル、ヘアブラシ、歯磨きセット、コットン&綿棒、シャンプー&コンディショナー、ソープ。
ドライヤーは据付タイプ。
防音もしっかりされていて、他室や廊下の物音をまったく気にすることなく、静かにゆっくりと過ごせました。
朝食:プリマヴェーラ
楽しみにしていた朝食会場は、1Fのレストラン『プリマヴェーラ』。
予約した7時に伺うと、既にテーブルセッティングされていました。
筑前煮、小鰯煮、出汁巻き卵、タコの和え物とお漬物、海苔、フルーツ。
出汁巻き卵を1ついただいたところで、ご飯、お味噌汁、魚の干物、温かい日本茶が運ばれてきました。
朝からこの品数、今日も一日頑張れますね!
ランチ(洋食)、超オススメです!
館内
1Fレストラン『プリマヴェーラ』隣、重厚感のある談話室。
少し下がったところには、BARカウンター!
隠し部屋のような雰囲気のあるBARで、ウィスキーやカクテルをいただいてみたい。
ロビーに飾られている美しい陶器像。ボッティチェリ「プリマヴェーラ」に描かれている女神像かしら?
物販コーナー
ロビー前には物販コーナーも。「尾道帆布」製のミニトート、ポーチが並べられています。
村上海賊船モチーフと、ナティーク城山オリジナルロゴが素敵!
ナティーク城山オリジナルポストカード、天然石の尾道ストラップ、杜仲茶。
しまなみ海道の多島美
朝、夜、それぞれの時間帯で瀬戸内海の多島美を堪能できます。
夜景
会議と会食を終えてオーベルジュに戻ってきたのは、深夜2時。久々の午前様です。この時間でも、対岸の生名島「立石港」周辺の灯りが海に映えて綺麗。
冷え込む夜でしたが、長崎港には釣り人の姿も。
夜空に浮かぶ白いオーベルジュ。夜には夜の風情がありますね。
朝
午前6時の因島風景。少し雲が多いけれど、空気が清々しくて気持ちのいい朝を迎えました。
長崎港方面。遠くに、因島と生口島を結ぶ生口橋が見えます。
刻々と変化する雲を眺めつつ、今日1日のスケジュールやToDoを思い浮かべる時間。
長崎港を出港しようとしているフェリーと、対岸の生名島。
「真夏にここで生ビールかシャンパーニュがいただけたら、最高だろうな」と思わずにいられない1Fテラス。
行き交う船の音と潮風に、ただただ癒されます。
さまざまな表情を見せてくれる、秋の空と雲。
いつまでも眺めていたいこの風景。
ゆめしま海道の島々と橋もよく見えます。またサイクリングに行きたいなぁ。
お庭には、高松宮殿下御手植之月桂樹、紀宮殿下お成り記念樹が育っています。
因島の名産品の1つ「杜仲茶」の原料、杜仲の木を発見。
見事な枝ぶりの松ごしに見る、海・空・島。
チェックアウト時には雲が晴れ、みごとなしまなみブルーが広がりました。わたしの晴れ神様、ありがとう!
平山郁夫画伯 しまなみ海道五十三次スケッチポイント
『ナティーク城山』さんの敷地内に、2ヶ所のスケッチポイントがあるのです。
平成11年(1999年)、長崎港方面。
平成11年(1999年)、生名島・弓削島方面。
因島の観光、歴史、人物など
因島観光
手作り感あふれる「しまなみ海道 因島・瀬戸田 見聞録」。
オーベルジュ周辺のみどころスポット。土生商店街紹介を中心に、自転車神社『大山神社』、弘法大師空海ゆかりの『鯖大師』、『浄瑠璃寺』のお堂開き&ご縁袋、お抱え地蔵様など。
因島周辺で楽しめるアクティビティや各種体験。蒔絵体験はわたしもしてみたいなぁ。
▼因島に関する記事一覧はコチラ。
▼因島宿泊施設情報まとめ
村上海賊(村上水軍)
村上海賊は「来島村上」、『村上海賊の娘(新潮文庫)』で有名な「能島村上」、そしてここ「因島村上」の三家から成り立っていました。
2016年、日本遺産認定。
「“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島-よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶-」(尾道市・今治市)
激しい潮流が渦巻く芸予諸島を本拠地に、南北朝時代から戦国時代まで瀬戸内海を守り抜いた海の男たち。宣教師ルイス・フロイスが『日本史』に「日本最大の海賊」と記したことも有名ですね。
風にはためく「まるじょう」の幟と因島風景。
「村上水軍」について。日本遺産は「村上海賊」ですが、いまだ「海賊」なのか「水軍」なのか、議論が尽きませんネ。
村上海賊が愛用したと伝わる、船の揺れにも安定している水軍徳利。酒杯はすぐに飲み干すよう、穴があいているそうです。穴をあけた目的は違いますが、土佐高知の「可杯」のようですね。
長崎城と海賊船の模型。
女傑 麻生イト
明治大正時代に大阪鉄工所(日立造船の前身)因島工場で解体業に従事すると共に、城山倶楽部(現ナティーク城山)を経営した麻生イトさん。
その生涯は実名で今東光の小説『悪名』に描かれ、勝新太郎主演で映画化もされたそうです。
恥ずかしながら、麻生イトさんのお名前すら存じ上げませんでした。早速Amazonで『悪名』を探し、注文しましたよ。もう新刊は販売されていないようなので、読んでみたい方はお早めに。
施設情報
今回はビジネス利用でちょっとバタバタでしたが、次回は1泊2食付で宿泊し、ゆったりまったりリゾート時間を過ごしたいものです。
オーベルジュ ナティーク城山
〒722-2323 広島県尾道市因島土生町2254−6
電話: 0845-26-0046
http://nautique.jp/